法人の登記場所は以下のポイントを考慮すると良いと思います。
地縁があるかどうか
地域の金融機関は地縁、特に今日現在営業エリア内に居住している、もしくは法人の住所があることを融資の条件としていることが多いです。そのためご自身の居住地が金融機関開拓の面では最も地の利があります。
地方出身で親子亀作戦が展開できる場合はご親族に共同代表になってもらうことで、地縁(営業エリア内に居住している代表がいる法人であること)をアピールすることで融資してもらえる可能性があり、ご自身の居住地よりも良い物件が出やすいエリアで親子亀作戦が展開できる場合はそのエリアが登記場所としては有力だと思います。親子亀作戦が分からない方はこちらのFAQをご参照ください。
親子亀作戦を展開できないが地方に実家がある場合は、ご自身の住民票を実家に移す、法人を実家に登記もしくは移転する、法人の支店を実家に設立することで融資を受けられる可能性があるため、法人設立前に金融機関にヒアリングし、支店登記や住民票の異動のみで融資が受けられる場合は法人の登記場所は別のエリアでも良いと判断できる可能性があります。ヒアリングについてはこちらのFAQもご参照ください。
また、地縁が無い場合は公庫、滋賀銀行、関西みらい銀行など全国の物件に対応している金融機関で実績を作り、その後そのエリアの地域の金融機関との取引に繋げるのが王道の進め方で、購入予定の物件に登記することで法人名義で融資を受けられることもあるため、その場合はその物件に登記するのも手です。
金融機関の判断次第なので法人設立前に融資担当者とよく会話し、意見を集めることが重要です。
収支が合う物件が出やすいエリアかどうか
候補としているエリアで物件検索、デスクトップ調査を繰り返すことで収支の合いそうな物件が出やすいか確認しましょう。例えば持たざる者戦略の場合、都内は地価が高く収支の合う物件が出にくいため東京に法人を登記しても金融機関開拓の面で地の利はあまり無く、他のエリアを検討した方が良いことが多いです。
金融機関の数やカバーしているエリアの広さ
福岡や大阪は銀行の数が多く、近隣の県にも支店があり営業エリアが広い銀行もあるため有力候補になり得ると思います。例えば長崎と福岡で迷っている場合だと、福岡の方が銀行が多く、長崎や佐賀、大分をカバーする福岡県内の金融機関はありますが、長崎から福岡、佐賀、大分などをカバーする銀行は少ないと思いますので、この場合は福岡が有力候補となります。実際にあった質問をもとに考えた事例もありますのでこちらのFAQもご参照ください。
上記のポイントはあくまで一般的に考慮すると良い点で、戦略や目標、ご自身の居住地、共同代表になる方の居住地などによっても変わる可能性があります。ヤモリの家庭教師では初回方針相談でエリアの選び方についてもアドバイスしていますので生徒さんはサポートメールでご相談いただければと思います。