出口=売却だけを前提にする必要はありません。むしろ、築古物件のような投資対象では「持ち切ってキャッシュフロー(CF)を回収する」という戦略が現実的かつ有効です。
具体的には、物件を利回り20%前後に仕上げ、月々の家賃収入から安定的にCFが出る状態をつくります。たとえば15年融資を受けた場合、期間終了時にはローン残債がなくなり、それまでに得られたCFの積み上げで初期の自己資金も回収できます。さらに、完済後は全額がCFとなるため、投資回収を十分に果たすことが可能です。
仮に、将来的に賃貸がつかなくなったとしても、更地にして安価に売却したり、家賃を下げて貸し出したりすることで、なんらかの出口は確保できます。特に事業初期の段階では、このプロセスの中で「融資実績」を作ることができ、また得られたCFを次の投資に回す「見せ金」として活用できるため、大きな意義があります。
したがって、築古物件においては「売却で利益を出さなければ失敗」という考えに縛られず、持ち切って投資回収するという柔軟な視点を持つことで、長期的かつ安定した事業運営が可能となります。初期は特に、無理に売却益を狙うのではなく、安定した収益基盤を築くことを優先するといいです。
