隣地と浄化槽を共有しているケースは比較的珍しく、事前に慎重な確認が必要です。
金融機関の評価や将来的な規模拡大という点では、大きなマイナス要因になるケースは多くありませんが、実務面では注意点があります。
まず、維持管理費や修繕費の負担を隣地所有者と共有できるかどうかは不透明なケースが多いです。
特に、隣地建物が空き家で使用されていない場合には、
「使用している側が全額負担してほしい」と求められる可能性も十分に考えられます。
そのため、購入を検討する場合は、費用負担の按分について覚書などを書面で取り交わせるかが重要な判断材料になります。
また、共有していることで故障リスクが高まる可能性もあり、
将来的な修繕や交換費用については、隣地所有者が負担に応じてくれる前提ではなく、全額自己負担を想定したうえで収支シミュレーションを行う方が安全です。
現在の状態を専門業者に確認し、
・直近で修繕が必要か
・将来的に交換が必要になる時期と概算費用
を把握したうえで、初期費用として織り込んでも収支が合うか、またはキャッシュフローから積み立てて対応できるかで判断するとよいと思います。
さらに、給水が井戸水の場合には、
ポンプの故障や交換、水質維持などの管理負担が発生する可能性があります。
ポンプの交換履歴が不明、または長期間実施されていない場合には、
交換費用を指値の根拠として交渉することも一つの考え方です。
これらを総合すると、よほど価格面での優位性がない限り、無理にこのような特殊な条件の物件を選ばなくてもよいという判断になるケースも多いと思います。
